データ復旧とは

データ復旧とは?

データ復旧とは、誤って削除したファイルや、故障した記憶媒体(HDD、SSD、USBメモリ、SDカードなど)から失われたデータを取り出す技術や手法を指します。データが消失する原因には、ハードウェアの物理的な障害、ソフトウェアのトラブル、ウイルス感染、人為的なミスなどがあります。


1. データ復旧が必要になる主なケース

論理的な障害

データ自体が破損していないものの、ファイルシステムの異常や誤削除などによりアクセスできなくなった状態を論理障害と定義しています。ソフトウェア的な問題をまとめて論理的に解決する必要がある状態にあるとサービス利用者に伝えるための専門用語です。
主な例

  • 誤ってファイルを削除した
  • フォーマットしてしまった
  • ウイルスやマルウェアによるデータ破損
  • OSクラッシュやソフトウェアの不具合

対処方法

  • 専用のデータ復旧ソフトを使用する(Recuva、EaseUS Data Recovery Wizardなど)
  • バックアップから復元する(クラウドや外付けHDDなど)

物理障害

記憶媒体自体が故障し、データにアクセスできない状態を指します。ハードウェア的な問題で軽度なものから重度の物理的な障害までさまざまです。重度障害になると特殊な専門設備がないとデータを救出することができません。
主な例

  • HDD/SSDが認識されない
  • SDカードやUSBメモリの端子が破損
  • 落下や衝撃による記録部分の損傷
  • 経年劣化による故障

対処方法

  • デバイスを無理に操作せず、専門のデータ復旧業者に相談する
  • 分解せずに、復旧ソフトではなくハードウェアの修理を検討

2. 記憶媒体ごとのデータ復旧方法

記憶媒体主な障害復旧方法
HDD(ハードディスク)読み取り不能、異音、フォーマット要求ソフトウェア復旧、専門業者への依頼
SSD(ソリッドステートドライブ)認識されない、ファームウェア障害専門業者での復旧が必要
USBメモリ端子折れ、認識しない端子修理、データ復旧ソフト使用
SDカード認識しない、破損リーダー変更、復旧ソフト、業者依頼
NAS(ネットワークストレージ)RAID崩壊、アクセス不能RAID再構築、業者に依頼
スマートフォン水没、起動不能バックアップ復元、データ抽出

3. データ復旧の流れ

ステップ1. 状況の確認

  • どのようにデータが失われたか
  • 記憶媒体は正常に動作しているか

ステップ2. 初期対応

  • 電源を切る(物理障害の場合)
  • 復旧ソフトを試す(論理障害の場合)
  • バックアップがないか確認

ステップ3. 専門業者に相談

  • 自分で復旧できない場合やハードウェアが故障している場合は、データ復旧サービスを利用

4. データ復旧の注意点

4-1. 上書きを防ぐ

データを失った直後に、新しいファイルを保存すると復旧の可能性が低くなるため、操作を控える。

4-2. 信頼できる業者を選ぶ

データ復旧業者によっては、詐欺まがいの高額請求をするところもあるため、評判や実績を確認する。

4-3. 定期的なバックアップを習慣化する

データ損失を防ぐために、外部ストレージやクラウドサービスを活用する。


5. データ復旧の費用相場

データ復旧サービスの費用は、障害の種類や記憶媒体によって異なります。

障害の種類費用相場
論理障害(軽度)1万~5万円
物理障害(中度)5万~10万円
物理障害(重度)10万~30万円

6. まとめ

  • データ復旧には「論理障害」と「物理障害」がある
  • 論理障害は復旧ソフトで対応可能だが、物理障害は専門業者が必要
  • データの上書きを防ぎ、できるだけ早く対応することが重要
  • 定期的なバックアップでデータ損失のリスクを最小限にする

データ復旧が必要になった場合は、無理に操作せず、適切な手順を踏むことが非常に重要になります。